220円でアマゾンより安く商品が玄関に届く

1週あたりの平均利用率は約80%、1件あたりの注文点数は毎回10点程度あり、平均購買単価は約5300円です。

料金はシステム手数料の220円(税込)のみ。しかもサポートサービスにより7割の組合員は無料で商品が届きます。口座引落により宅配時に現金によるやり取りは一切なく、置き配サービスの導入により再配送もゼロになっています。しかも、組合員組織に加入しただけで利用していない、いわゆる“ゾンビ顧客”が、コープさっぽろにはほとんどいません。

そのため、週1回の発注を効率よくまとめることができ、定期配送ルートも組みやすくなっています。

さすがに220円のシステム手数料で物流コストをカバーすることは難しいと思いますが、AIを活用した配送ルートの効率化により、トラック1台で1日平均70軒を無理なく回ることが可能で、採算もとりやすい構造になっていると考えられます。

商品の販売価格はアマゾンよりも安く設定されていますが、民間企業の経常利益率に相当するトドック事業の経常剰余率は8.6%と、高いものになっています。

このトドックの宅配の基盤となっているのが、全道51カ所にある宅配センターです。約1300台の車両が稼働し、センターからほぼ片道1時間圏内で、北海道の隅々まで低コストで配達できる体制を構築しています。

51カ所の宅配センターのうち、41カ所は冷蔵設備があり、残りの10カ所が冷蔵設備のない小型デポです。

写真提供=コープさっぽろ
北海道江別市の北海道ロジサービス外観(物流拠点)

小型の物流拠点で全道1時間圏内の配送を可能に

トドックの商品は、基幹物流施設の江別物流センターで利用者ごとのピッキングを一括で行い、大型トラックで道内各地の宅配センターに配送、そこから配達車両が利用者宅に届ける流れが基本になっています。

しかし、41カ所の宅配センターで全道に対応しようとすると、もっとも遠い利用者宅までの距離が100キロを超え、その場合、片道で2時間を要することになってしまいます。

そこで、1時間圏内での配達を可能にするために2015年、設置を進めたのがデポ(小型の物流拠点)です。1時間以上かかる遠隔地に冷蔵設備のない小型デポを配置し、デポへジャストインタイムで納品し、そこからラストワンマイルの配達を行う体制も取り入れることになりました。

礼文島、利尻島、奥尻島の離島については、例外で、ヤマト運輸と佐川急便に配送を委託しています。