小さいロゴを好むトレンドとマッチ

ちなみにハニーズは屋号で、店内には3つの独自ブランドの商品を展開しています。大人向けの「グラシア」、ノンエイジレディースの「シネマクラブ」、ヤングレディースの「コルザ」というラインアップですが、男性目線で売り場を見た限りにおいてはほとんど区別ができません。そして、3ブランドともにこれと言ったデザイン的な特徴のない服だと感じます。

デザインの特徴がないということは、ともすると競合ブランドに埋没してしまう可能性が多々ありますが、逆にどんなブランドの服とも合わせやすいという利点もあります。さらにいうと何のブランドか他人からわかりにくいという「匿名性」があるといえます。一昔前の「ユニ被り」のように、着ている服が他人と被ることを嫌う消費者は多くいますが、ハニーズの商品は匿名性が高いためバレにくいのではないかと考えられます。

また2000年代後半からブランド市場の消費を牽引してきた中国人の好みを反映してか、ブランドロゴがどんどん大きくなり目立ちやすくなりましたが、コロナ禍以降の中国経済の失速も手伝ってロゴは小さく、もしくはなくなるという「クワイエット・ラグジュアリー」が現在の最新トレンドとなっており、この風潮とハニーズの商品がマッチする部分もあるのではないかと思われます。

ジーユー、無印よりも豊富な靴の種類

もう一つ、店内を見渡して気が付くのが靴の種類の豊富さです。もちろん靴専門店ほどには品揃えはありませんが、型数の多さからしてもジーユーや無印良品よりは多いでしょう。今秋冬は男女ともにスニーカーの過熱ブームがおさまり、合皮素材も含めてレザー使いのブーツ類人気が復活していますが、ハニーズには女性向けのロングブーツが多数並んでいます。

ウェブ上でもハニーズのロングブーツ類の豊富さは礼賛する記事が少なからずアップされています。だいたい5000円弱で揃うようですからかなり割安感があります。値ごろ感のある女性らしいロングブーツはユニクロにもジーユーにもワークマンにも並んでいませんので、こういう女性向けの最新マストレンド商品を厚く揃えるところが支持を集めているといえるでしょう。