自分に基準を持つためのメンターを

「隣の芝生」に惑わされない→メンターを決めれば基準作りがラクになる

家づくりの参考にと情報を集めすぎると、それがマイナスに作用しがちです。リビングはこの感じ、キッチンは、コンセントの位置は……あらゆる要素を調べ上げ、全部100点をとろうとすれば、お金と時間がいくらあっても足りません。

なぜなら、に述べたようにすべてを満たす完璧な家など存在しないからです。「隣の芝生は、青く見える」もの。

本来は、「自分にぴったりの家」を建てるのが目的ですから、正解は結局自分の中にしかありません。

とはいえ最初の何もわからない状態では、基準を持つのも難しいはず。そんな際には自分と価値観を同じくする「メンター」を探し、基準づくりの助けとしましょう。

メンターを選ぶ際には、「読者や視聴者の問題解決のために情報を提供している発信者」を探します。コメント欄や評価欄を見れば、その発信者の情報が有益かどうか、ある程度つかめます。そこから先は、相性の問題。自分がもっとも納得できる話をしている人をメンターとしましょう。

100年住み続けられる、家をつくる

現在、日本の住宅の多くは質が低く、資産価値が残りにくいことを知っているでしょうか。

げげ『後悔しない家づくりのすべて』(サンクチュアリ出版)

これは、高度経済成長期に住宅が足りなくなり、「とにかく数を供給せよ」と質より量を重んじた政策をとったのが尾を引いた結果です。そして日本の住宅は、「スクラップアンドビルド」が常識となり、世代を超えて長く住んだり、資産として残したりといった、欧米ではあたりまえの発想が失われてしまいました。

実は住宅は、適切なメンテナンスを行えば60年以上、ときに100年も住み続けられます。しかしそうした建物の寿命とは別に、「家族構成や生活スタイルが変わった」という理由で、30年ほどで解体されてしまうケースがよくあります。

注文住宅を建てるなら、将来の生活の変化に合わせて使い方を変えられるようにしておくといいでしょう。たとえば部屋の用途を限定せず、最初は子ども部屋、子どもたちが巣立ったら書斎というように、可変的に使えるようにする、など。

末永く住み、次世代へと引き継げる、「社会的長寿の家」を目指しましょう。

関連記事
実は賃貸に住む建築家が多い理由…プロがこっそり教える「住宅会社が絶対に言わない"住まい"の真実」【2023下半期BEST5】
床暖房、和室、浴室の窓…職人社長が教える「本当は必要なかった」と後悔しがちな住宅設備&資材29項目
「間違った断熱」を選ぶと結露で家が腐っていく…職人社長が「外断熱を安易に選んではいけない」と断言する理由
狭いリビングに丸テーブルを置いてはいけない…一級建築士が教える「買うと絶対後悔する家具」3選
実家の"ごみ屋敷化"はここから始まる…帰省のときに必ず目を光らせたい家の中の意外な場所