「わが家にはわが家の方針がある」夫婦間の共通理解がカギ
一方、子供の勉強の中身より成績を見る親は、「なぜできないの?」とできていないことばかりを指摘する。そして、かつて自分がやってきた丸暗記や演習の繰り返しといった力ワザで成績を上げさせようとする。すると、子供の睡眠時間が削られ、自由裁量権が奪われ、やらされ感いっぱいの勉強になる。
うまくいっている家庭は、中学受験を通してわが子の成長を感じるだけでなく、勉強の面白さを再発見することも多い。そういう家庭は、「中学受験はかわいそうなもの」とは微塵も思わない。だから、祖父母世代や中学受験に反対のママ友たちといった外野に何を言われようと気にしない。「わが家にはわが家の方針があるのだ」と堂々としている。もちろん、夫婦間の共通理解が大前提ではあるが。
「小学生の子供に中学受験をさせるのはかわいそう」と思っている外野は、まずは今の時代の子育てを取り巻く環境をよく見てから言ってほしい。
また、偏差値にこだわっている人は、その数字の真相を確かめてみてほしい。
「勉強は面白い」と思ってやっている子はたくさんいる
今子供に中学受験の勉強をさせているけれど、「本当にこれで良かったのだろうか」「かわいそうなことをさせていないだろうか」と心が揺らいでいる人は、今一度勉強のやり方を見直してみてほしい。そして、わが子が今どんなことを学んでいるかに興味をもってみることをおすすめしたい。
正しく勉強をすれば、中学受験は決して「かわいそう」なものではない。「かわいそう」なものにしているのは、まわりの大人たちの価値観や経験の押しつけなのである。大人でもそうだが、自分が楽しいと思って取り組んでいることを「かわいそう」と不憫に思われることほど、腹の立つことはない。中学受験に挑戦している子供の中には、「勉強は面白い」と思ってやっている子もたくさんいる。大事なのは挑戦する本人がどう感じるかだ。