放課後の実態は「ゲームやYouTube」

「遊べなくてかわいそう」と思っている人は、放課後の公園やマンションのロビーを見てほしい。おそらく小学生の子供たちがゲームやYouTubeの画面を見ているだろう。公園で鬼ごっこやかくれんぼをしたり、野山を探検したりといった親世代がイメージする小学生の子供像は、今は都会ではなかなか見ることができない。「スマホ脳」が指摘されているように、IT機器がこれだけ浸透している今、子供を自由に遊ばせると逆に勉強から遠ざけてしまうリスクがあることを知っておいてほしい。

電気を消した暗い部屋のなか、布団をかぶってゲームをしている、眼鏡をかけた少年
写真=iStock.com/RicardoImagen
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だから、中学受験をさせた方がいい、と短絡的な考えを押しつけるつもりはない。先にも伝えたように、中学受験がその子にとって吉と出るか、凶と出るかは非常に紙一重であることは事実だからだ。

では、うまくいく家庭とダメにする家庭の違いはどこにあるのか?

それは、親の関わり方が非常に大きいと感じている。

親も一緒に勉強を面白がる家庭はうまくいく

うまくいっている家庭は、親も一緒に勉強をするような雰囲気がある。子供の勉強に常に興味を持ち、面白がる。または、子供が問題に行き詰まっているときには、一緒になって考える。

「なんでこう解くんだろうね〜」
「へぇ〜、そういうことか!」
「なるほど、こういう解き方もあるんだね」
「いや〜、この問題、なかなか面白いね!」

といったように。

そんなの勉強が苦手だった私にはムリ! と思わなくていい。今の中学受験の内容は、大人でも難しいと感じるものばかり。分からなければ、分からないと素直に認め、一緒に考えてみればいいのだ。方程式や裏ワザなど大人が知っている知識を見せびらかして、わが子にマウントを取るよりよっぽどいい。

そうやって子供の勉強に興味を持ち続ける親は、「この子は今、こんなに難しい問題に挑戦しているんだな」「毎日コツコツと頑張っていてえらいな」と、子供の今の頑張りとこれまでの成長に目が向けられるようになり、自然と「本当によく頑張っているね」と肯定的な言葉をかけてあげられるようになる。また、暗記やパターン学習では決して解くことができない「今の中学受験で必要とされる力」が理解でき、「なるほど、だから大学受験に有利なのだな」と、中学受験をするメリットが納得できるようになる。