大学受験に有利なカリキュラムで学習できる

では、今なぜ中学受験熱が高まっているのか? それはあきらかにメリットが多いからだ。

中学受験をするメリットはいろいろあるが、学習面だけでも次の5つが挙げられる。

1 学習の習慣が身につく
2 多くの知識を得ることができる
3 考える力がつく
4 高校受験をしなくていい
5 大学受験に有利なカリキュラムで学習できる

まず、中学受験をする=中高一貫校へ進学する、となると、3年後の高校受験をしなくて済む。また、中高一貫校では中2までに中学校3年分の学習を終わらせることが多いので、大学入試に必要とされる高校の教育内容を4年かけて学習できる。多くの学校では、中3から高2までの3年間で高校の教育内容を終え、残りの1年間は大学受験のための勉強に充てている。つまり、大学受験に有利なカリキュラムが作られているということだ。

教科書をもって立っている男子生徒
写真=iStock.com/taka4332
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「詰め込み型学習」は間違った勉強法のイメージ

だが、そこに通うには、中学受験は避けて通れない。一般に中学受験の対策は、小3の2月からスタートし、そこから3年間かけて準備をしていく。小学校生活の半分、しかも遊びたい盛りの小学生に塾通いをさせ、夜遅くまで勉強させる。これが、中学受験アンチ派の中学受験に対するイメージだろう。確かに、中学受験で求められる学習内容は、小学校で習うものとは大きくかけ離れているので、その指導をしてくれる塾に通うのが望ましい。塾の授業は、学校が終わった後に行われるため、必然的に帰宅時間は遅くなる。それは、発達段階の途中にいる小学生の子供にとっては負担になるかもしれない。

しかし、目標に向かって努力をすることは良いことだし、何より毎日コツコツ勉強をすることで学習習慣が身につく。これを中学に入ってからも続けていけば、勉強で困ることはまずない。

中学受験で学ぶ内容は多岐にわたる。特に理科と社会の知識量は膨大だ。小学校課程の内容に加え、公立中学で3年間かけて学ぶ内容までほぼほぼ小学生のうちに吸収してしまう。これを「詰め込み型学習」と指摘する人もいるが、それは間違った勉強のやり方を身につけて、受験を突破した人がいう台詞だと私は思う。