消防車1台2億円は本当に妥当な価格か
突然ですが、消防車っていくらかかると思いますか?
ある日、私が予算をチェックしていると、消防車の項目が目にとまりました。
「消防車って2000万円もするの?」と近くにいた職員に聞くと、
「市長、桁が一つ違います」と言う。
よく見ると、消防車1台に2億円もかかっていたんです。これには目玉が飛び出ました。
消防車の中でもはしご車は高額らしいのですが、それにしても、2億円もかかるものなのか? 探せば、もっと安いはしご車があるのではないか? いろいろな疑問が浮かびましたが、担当職員は「2億円が妥当です」の一点張り。
消防車の価格はそもそも妥当なのか、それを深掘りすることなく、以前と同じ流れで2億円もの消防車が税金からまかなわれていたのです。
このように、地方自治体の役所をはじめとする政治の世界では、一般的には考えられないレベルの非常識がまかり通っています。まだ若い君だって、ここで紹介したやりとりが、いかにおかしいことかわかるでしょう。
こんなバカなことを、大人である政治家は平然とやってのけている。それを一つひとつ、「それ、おかしいやろ!」とツッコんでいく作業もまた、予算の振り分けの重要な作業なのです、残念ながら。
子どもにお金を使うことが「マスト」だと考えていた
(4)マスト
最後に、しなければいけないこと「マスト」についてお話しします。実はこれが、一番大切なこと。繰り返しますが、税金は安ければいいというものでもない。必要な分を納めて、必要なことにきちんと使うのがスジというものです。
じゃあ今、その「必要なこと=マスト」って何なんだろう?
ここが大事な政治のテーマです。結論から言ってしまうと、今の日本においては、子どもたちや君のような若い人たちにお金を使うことが一番重要だと思っています。だからこそ、私が市長だった頃には、子ども政策に真っ先に取り組みました。