アメリカ人は学校で必ず「お金の使い方」について習う。全米の高校生が学んできたベストセラーの教科書から、そのエッセンスをご紹介しよう。今回は「お金の備え」について——。(第2回/全2回)

※本稿はアンドリュー・O・スミス『アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。

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お金で困らないためには予算を決めるべき

予算とは、入ってくるお金の予定や、お金を使う計画のことをいう。予算を決める目的は、出ていくお金が入ってくるお金よりも少なくなるようにすることだ。そうすれば、もしものときのためのお金を確保しておくことができる。

とはいえ、すべてのことが事前にわかるわけではない。たとえば、お友達へのプレゼントの予算を25ドルと決めたとしても、完璧なプレゼントが35ドルで見つかるかもしれない。あるいは思いがけない事故にあい、保険金の他に医療費がかかるかもしれない。新しいiPhoneがどうしても欲しくなり、お金が貯まるまで待てないということもあるだろう。

予算を賢く立てていれば、そういった不意の出費にも十分に対応できる。

予算を決めることの利点は、もしものときに備えられるだけではない。予算があれば、そもそもそういった事態にはならないのだ。

お金がいくら入ってきて、いくら使うかということを事前に把握しておけば、収入と支出のちょうどいいバランスを保つことができる。そして収入と支出のバランスがとれていれば、借金をする必要もない。決めた予算を守っていれば、給料日前になってお金に困ることはない。家賃や水道光熱費が払えなくなることもない。

堅実な予算を立て、予算内で生活する習慣を若いうちに確立できた人は、この先どんなことがあっても健全な財政を保つことができる。