まずは今までの支出を把握する

予算を立てる最初のステップは、すべての収入とすべての支出を把握してリスト化することだ。予算の区切りは1カ月ごとにするのがわかりやすくていいだろう。とはいえ、1年先のことまで見通すのが、より賢い予算の立て方だ。

最初の一歩である収入と支出の把握は過去をふり返ることだが、実際に予算を立てるときは未来を見つめることになる。道具は紙と鉛筆だけでいい。または、パソコンのソフトやスマホのアプリを使ってもいい。

予算計画は、一生続けなければいけないというものではない。専門家の間でも、継続して行うべきなのか(続けるのは難しい)、それとも同じ予算をずっと使うべきなのか(いずれ現状に合わなくなる)、意見が分かれている。いずれにせよ、予算を決める見返りは大きいという点は誰もが認めている。

今後1年間の支出を予想する

過去の支出を把握したら、今度は向こう1年間の支出を予測してみよう。収入についても、同じように過去を参考にして未来を予測する。

ここで仮に、あなたが大学を卒業したばかりの社会人1年生だとしよう。学生の頃の収入は、親からのお小遣いかアルバイト代ぐらいで、たいした額にはならなかった。そして社会人になった今は、1カ月の収入が手取りで2650ドルになり、これが1年続くとする。お小遣いとバイト代はもう入ってこないので、この手取り月収2650ドルが、今後1年間のあなたの収入だ。

次は支出のほうを見ていこう。両親の家を出てひとり暮らしを始めるとなると、家賃や食費や水道光熱費も自分で払わなければならなくなる。これは大きな変化だ。健康保険は会社のプランに入ることになるかもしれないが、自分で追加の保険に加入する人もいるだろう。

このように、学生の頃とは違う支出の費目がたくさんできるので、予算を立てるのも一苦労だ。ガス代や携帯料金のだいたいの相場をいちいち調べるのは大変だが、それでもやらなければならない。ここで頑張ってきちんと予算を立てておけば、その後がずっと楽になる。

ファイナンシャルプランナーなどの専門家に聞くと、月収に合ったそれぞれの費目の割合を教えてもらえる。たとえば、家賃は月収の3割までとか、あるいは毎月必ず出て行くお金(家賃とローン返済)は月収の半分までといったルールだ。予算の立て方に関しては、インターネットで無料で教えてくれるサイトを活用したり、図書館で専門の本を借りたりしてもいいだろう。