「高級店だから敷居が高い」は間違っている

敷居が高い

本当の意味
相手に不義理や面目のないことがあるので、その人の家に行きにくいこと。敷居がまたげない。

正しい使い方
何年も連絡をとっていないので、今さら先生を訪ねるのは敷居が高い。

誤用
これほどの高級店だと、自分にはどうも敷居が高いと感じる。

「一見さんお断り」という表現にも似た、どこか高級なイメージを持たれる方が多いのかもしれません。しかし、この言葉は相手に対して「不義理」があるという点がポイントです。たとえば借金があったり、長いこと会っていなかったりすると、「どうも、あの家は敷居が高くてねぇ」ということになります。

そもそも「敷居」とは、家や部屋に入るための出入り口となる開口部の下にある横木のこと。この「敷居」が相手との境目になっているのでしょう。ところが、最近では気軽に他人の家に行くことも少なくなり、この「敷居」という言葉自体が廃れつつあるように感じます。「こんなやつに、二度とうちの敷居はまたがせない!」といった台詞もすっかり聞かなくなりましたが、個人的には、できれば残したい日本語の一つです。

そういえば、学生たちが「この前○○の誘い断ったから、フォローしてもブロックされるかもな~」とSNSの話をしていましたが、まさに現代の「敷居が高い」話なのかもしれませんね。