どうすれば楽しく効率的に大学受験に必要な学力を身に付けることができるのか。学年最下位から東大現役合格を果たした保手濱彰人さんは「僕は高校3年生のとき、いわゆる普通の受験勉強はほとんどしなかった。それでも東大には年間約3000人もが入学しているわけですから、超狭き門というわけではない。合格の可能性は誰にでもあるはずだ」という――。

大の勉強嫌いで年間200回遅刻していた高校時代

僕は中高一貫校の駒場東邦から東京大学に現役合格しましたが、もともとは大の勉強嫌いでした。小さいころからやりたくないことはまったくできないタイプで、中学こそ親の導きで無理やり受験できたものの、入学して以降はまったく勉強しなくなりました。

キャラアート会長 保手濱 彰人さん
撮影=プレジデントオンライン編集部
キャラアート会長 保手濱 彰人さん

授業も勉強も苦痛でしかなかったので、成績なんて留年しないギリギリのレベルでいいと思っていました。実際、高校時代は年間200回以上も遅刻し、成績は学年最下位で模試もすべてE判定。それでも自分としては気にしていなかったのですが、高3になったころ、ふと「このままじゃ人生終わるな」と思ったんです。

どうすれば人生終わらずに済むかなと考えて出した結論が、日本トップの大学、東大に行くことでした。昔から少年漫画が好きだったので、『ONE PIECE』の主人公のように「今は弱いけどいつか絶対に海賊王になるんだ!」という気持ちで一発逆転を狙おうと(笑)。今考えれば本当に無邪気でしたね。中高と勉強の大変さを知らないまま過ごしたもので、それがどれほど無謀かなんて考えもしませんでした。

E判定から合格までの1年間で何をしたのか

とはいえ、高3の時点で学年最下位の人間が東大を目指すわけですから、先生をはじめ周囲からは「この成績で今から狙うなんて絶対無理」と散々言われました。いわば絶望的な状況だったのですが、そこで救いになったのが、主人公が絶望的状況から勝利する漫画『寄生獣』でした。この漫画を読んでいたおかげで、自分が助かる道、這い上がれる道は必ずあるはずだと思えたんです。

結果からいうと、その後慶應の経済と理工、早稲田の理工、東大の理科I類を受けてすべて合格し、先生からは「実質的に最後の3カ月間の伸びだけで受かったんだからすごいな」と言われました。

僕がわずか1年の間に何をしたのか――。なにしろ最下位からのスタートですから、人と同じことをしていたのでは差を埋められません。そこで、いわゆる普通の受験勉強とはまったく違うことをしようと、徹底的に“逆張り”したのです。