あなたの家にピカチュウがやってくる?
①スマホやパソコンのAIアシスタント
②スマートスピーカー
③カーナビ
④ペットロボット
の4種類です。
実は日本企業にとって、このジャンルで一番勝ち上がりやすいのは4種類目のペットロボットのジャンルです。
ソニーがGAFAMに勝てる可能性があると申し上げた一方で、実はこのペットロボットが将来の主流になってしまうことで、ソニーグループではない他の日本企業がこの勝ち筋でソニーにあっさり勝ってしまう可能性があるかもしれないと、私は考えています。
皆さんの家の中にソニーのaiboではなく、ポケモンのピカチュウがやってくるのをイメージしてください。両手で抱えられるくらいの大きさで、いろいろなイントネーションで「ピカー」と話してくれます。自分では動けないぬいぐるみなのですが、中にスマートスピーカーが入っている、任天堂グループが開発する商品です。
たったこれだけの商品ですが、ベッドサイドに置いておくとそれなりに可愛い存在になってくるはずです。1人暮らしの独身生活で、
「ピカチュウ、テレビをつけて」とか、
「ピカチュウ、もう寝よう。電気を消して」
みたいに話しかけると、テレビをつけては「ピカー」と反応してくれるからです。
日本企業が世界を獲れるチャンスはまだある
このピカチュウ、生活を共にしているうちに、あなたのことを学び、理解してくれるようになります。たとえば、あなたが寂しそうにしていると「ピカー」と言ってあなたが元気になれそうな音楽をかけてくれたり、あなたのスマホにインスタグラムから探してきた癒し動画を送ってくれたりするのです。
この「家電が言葉を話す」というイノベーションに関しては、前述のような考察をすれば、ソニーグループの勝ち筋であることは間違いありません。ですが、それが家庭に浸透する過程でペットキャラの方がリアルなバーチャルタレントよりも受け入れられるようであれば、家電メーカーよりも任天堂やバンダイナムコのようなエンタメ企業の方が、先に勝ち上がっていく可能性があります。
さらには大企業よりも新興のベンチャーの方が有利になってしまう可能性も考えられます。日本企業がGAFAMを逆転できる可能性を持つジャンルであるのと同時に、誰が勝者になってもおかしくないジャンルでもあるのです。
いずれにしてもこのように、日本の大企業もAI投資に参入できるチャンスが生まれています。AIキャラでの参入、ペットロボットでの参入、そして自動車メーカーにとってはSDV車での参入と、それぞれにチャンスと脅威が生まれているのです。