年に1回は歯医者で定期健診するのが望ましい

①の「治療していない歯がある」に当てはまる人は、歯医者が嫌いな人ではないでしょうか。

むし歯などがあるのに、何年も歯医者に行ってない人は、歯周病のリスクがあるかもしれません。

本音をいえば、治療すべき歯のあるなしに関わらず、1年に1回くらいは歯科医で歯周ポケットの深さなどを調べてもらったほうがよいのです。

写真=iStock.com/recep-bg
※写真はイメージです

②の「歯と歯の間に食べものが詰まりやすい」にチェックが入った人は、歯と歯の間のすき間が開いている可能性があります。

歯周病が進むと、歯肉がやせて下がってくるため、すき間が広がって、食べものが詰まりやすくなることがあるのです。

また、食べものが詰まるのは、詰まる歯に小さなむし歯などができている可能性もあります。いずれにしても、原因が歯周病かどうかを一度調べておく必要があるでしょう。

③の「歯みがきにかける時間が5分以内」に当てはまる人は、十分な歯周病予防ができていないと考えられます。

歯周病の原因であるプラーク(歯垢)をきれいに取り除くには2~3分くらいの歯みがきでは短すぎます。歯周病ケア(歯みがき)には、最低でも5分以上かかります。

歯肉炎は歯周病の初期段階

④の「歯をみがくと歯ブラシに血がつく」にチェックを入れた人は、歯肉炎の可能性があります。本書の第2章で述べたように、歯肉炎は歯周病の初期段階で、歯肉の出血や腫れで気付く人が多いのです。

ただし、もっと進んだ歯周炎でも出血することがあるので、出血だけで初期だと断定することはできません。歯周炎では歯がグラグラする(動揺する)症状が出ていることもあります。

もしかしたら、歯を強くみがきすぎて歯肉を傷つけ、出血している可能性もありますが、その場合も歯科医院に行かないと原因が究明できません。

逆に、歯肉から血が出るほど強くみがいているなら、歯科衛生士に正しい歯みがきの仕方を教わったほうがよいでしょう。

⑤の「家族に口臭が気になるといわれた」に当てはまる人も、歯周病が疑われます。歯周病は口臭の大きな原因の1つだからです。

歯周病菌(嫌気性菌)は代謝の過程で、硫化水素やメチルメルカプタンを産生し、これが口臭の原因になります。また、舌苔ぜったいから起こっていることもあります(舌苔については後述)。

ただ、胃腸の病気など、歯周病以外の原因でも口臭が起こることがあります。いずれにしても家族から口臭を指摘されたなら、まず歯科医院で原因が歯周病かどうかを調べてもらったほうがよいでしょう。