ロンブー淳さんに「法律の穴」を解説すると…
「裏金」のやりとりは、政治資金の収支を公開し、国民の監視に委ねるという政治資金規正法の目的に著しく反する行為なのに、パーティー券収入の裏金を受領した議員側の処罰が困難である。それは、企業・団体献金の受け皿となる政党支部を含め、国会議員に複数の「財布」の存在を認め、収支報告書の作成・提出を個々の団体の会計責任者に負わせている現行制度の構造的な欠陥であり、それを是正する抜本的な制度改正が不可欠なのである。
この続きは12月7日に寄稿したプレジデントオンライン〈日本の法律は「政治家の裏金」を黙認している……「令和のリクルート事件」でも自民党議員が逮捕されない理由〉に詳しいが、その後も12月8日に、ビデオニュースの神保哲生氏によるインタビューを受け、〈パーティ券問題の本質は抜け穴だらけの政治資金規正法とこれを正そうとしない立法府の姿勢にある〉の名で動画が公開された。なお同日には、議員会館で田中真紀子氏夫妻と今回の問題についての緊急記者会見も開いている。
12月13日にはBS-TBS『報道1930』に、15日にはテレビ朝日のネット番組Abema Primeに出演。翌日には、文化放送『ロンドンブーツ1号2号田村淳のNewsCLUB』に呼ばれ、人気タレントの田村淳さんに「ザル法の真ん中に空いた大穴」について話をした。淳さんは今回の「政治とカネ」の問題に強い関心を持っており、政治資金規正法が抱える構造的な欠陥についての私の説明に熱心に耳を傾けていた。
元検事を相手に「対等以上の議論」をしていた
私が驚いたのは、法律の「素人」であるロンブー淳さんがその後出演したAbema Primeで、元検事を相手に「対等以上の議論」を繰り広げたことだ。以下は、政治資金パーティー裏金問題をめぐり、淳さんと元検事で弁護士の高井康行氏で交わされた激論の様子を、Abemaの了解を得て一部を引用する。
Abema Prime《【強制捜査】特報部の本気度は? 大物議員の逮捕は? メディアの報道は迷惑? 国を護れる政治家とは? 元検事&田村淳》(12月20日)
【田村淳(以下、淳)】特捜の方がこれだけ動くということは何かしらの証拠というか、確固たるものがあるから動き出しているんだろうなと思いますが、特捜が動いたことをきっかけに、政治資金規正法に元々開けられている大きな穴をみんなで埋めるという作業をしないと、ずっと同じことの繰り返しだと思う(中略)。
これだけ大きな穴があって、これだけ自由にお金の出入りができるということを踏まえた上で僕はしっかりと国民が見張って、穴おかしいじゃないか、穴をちゃんと埋めろよ、という声を上げ続けないとダメだなと思ったんですね。
ここで淳さんが言っている「穴」というのは、ラジオ番組で私から聞いた「裏金受領議員が処罰できない『大穴』」のことであろう。
それに続いて、司会者から紹介された高井氏はこう返す。