グロース株投資は簡単に損切りしない
カルタ君:エミン先生~(泣)。悪いニュースもないのに株価が下がっています。
エミン先生:相場全体が下がっているからね。こういうときは前に買って儲けている人が利益を確定するために売ろうとするから悪いニュースがない株でも下がることがあるんだよ。
カルタ君:僕より前に1株400円とかで買っていた人が売っているのでしょうね……。僕は1株600円で買っているので、すでに赤字です。これから300円まで下がっちゃったらどうしよう。いまのうちに損切りしておくほうがいいのでしょうか?
エミン先生:株価10倍を目指せるようなグロース株では10%を超えて下げることも珍しくはないよ。
カルタ君:ウェブの投資記事では「20%上がれば利益確定、10%下がれば損切り」を機械的にすれば儲けられると書かれていました。
エミン先生:それも1つの方法だね。でもグロース株でそれをやると、損切りばかりになってしまうかもしれない。10倍株を目指すストーリー投資なら、ここでの正解はBだよ。
目指すは「高く買って、さらに高く売る」
まず投資手法には大きく分けて2つあるのを覚えておこう。
1つ目は、これから成長していく企業の将来性に期待するグロース(成長)株投資。2つ目は、企業の資産や利益などの財務状況に比べて株価が割安に放置されている銘柄を見つけて投資するバリュー(割安)株投資です。
一般的にグロース株のほうが株価の変動(ボラティリティ)は大きく、バリュー株のほうが株価は安定しています。グロース株はPERが100倍を超えているケースもあります。「高く買って、さらに高く売る」というのがグロース株投資です。一方のバリュー株投資は、「安く買って、本来あるべき株価に達したら売る」です。
バリュー株投資の代表的な投資家はウォーレン・バフェットです。世界最大の投資会社バークシャー・ハサウェイの会長を務めています。これまで日本株には投資していなかったのですが、2020年に「万年割安株」と言われていた日本の商社に目をつけて投資し、巨額の利益を得ています。90歳を超えても、天才的な眼力は健在で、「投資の神様」「オマハの賢人」と呼ばれ、世界中の投資家の目標となっています。
ではストーリー投資はどっちなの? といいますと、どちらにも含まれます。ストーリー投資は、投資の土台になる考え方です。グロース株投資にもバリュー株投資にも応用できます。ただ、より真価を発揮するのはグロース株投資でしょう。グロース株を取り巻く環境は変化が激しく、参考になる指標も見つかりにくい。そんななかで、大局観を持つストーリー投資は大きな力になります。