「上場5年以内」の勢いある会社が狙い目
(3)上場から5年以内
上場直後は企業がもっとも成長する時期です。上場で集めた資金を、成長分野に投資できるからです。時価総額(株価×発行済株式数)でいえば、1000億円以下が1つの目安。あまり大きすぎると10倍に成長する余地がなくなります。
(4)オーナー企業、または社長が筆頭株主である
そして4つ目の条件がオーナー企業、または社長が筆頭株主であること。大胆な経営判断ができ、企業の成長が自らの資産に直結するので、会社のために働く意欲も高い。子どもや孫の代まで会社を残そうと長期的な目線での経営も期待できます。
4つの条件をすべてクリアしているのが理想ですが、厳密に満たしている必要はありません。「(1)は満たしているけど、(3)は少しオーバーしているな」というケースもあるでしょう。それぐらいでしたら十分検討に値します。
カルタくんはダイズが条件に当てはまっているかどうかを熱心に調べています。「売上成長率OK、営業利益率ギリギリだけどOK、上場してからちょうど5年目、そしてイケメン若社長が筆頭株主。エミン先生、ダイズは10倍株の条件に当てはまっています!」とカルタくんの声は弾んでいます。ダイズへの期待が高まりますね。
とはいえ、これら4つの条件すべてに当てはまるからといって、株価が上がるとは限りません。あくまでも過去の10倍株から導き出した共通点です。ストーリーが描けるかどうかがいちばん大切なことを忘れないでください。
「株価が10%下がったら売れ」は本当か
ついに株主となったカルタくんは、仕事中もスマホで株価をチェックしています。「押し目待ちに押し目なし」とエミン先生は言ったのに、株価は購入時の600円から、見つけたときの500円まで、16%も下がっています。押し目が到来したようです。
これといったニュースがないのに株価が下がるので、カルタくんの不安は募ります。
そんなとき、「成功する投資家は損切りが上手。株は10%下がれば売るのが鉄則」というウェブ記事を見つけました。カルタくんは、いっそのこともう売ってしまってラクになりたいと思い始めました。
A 初心者に損切りはむずかしい。10%下がれば機械的に損切り。
B ストーリーが崩れていなければ、売らなくていい。