目標を途中で変えることに罪悪感を覚える必要はない
〈長期目標のワナ③〉行動すれば目標は変動する
目標を掲げて行動していくうちに、目標が途中で変わってしまった経験がある方もいるのではないでしょうか?
目標が途中で変わることは、実は当然のことです。なんでもやってみなければわかりません。
・自分が進みたい方向性と違った
・もっと優先順位が高い、やるべきことがあることに気づいた
・自分の本心ではなく「やらねば」で目標を設定していることに気づいた
これらは、動いてみたからこそ気づけたことです。
一方で、一度立てた計画に固執して、たとえ違和感を覚えたとしても、やりきりたいという性質が人間にはあります。その性質を「一貫性の原理」と言います。自分の行動に一貫性を持たせたいという考え方です。
目標をがちがちに固めて計画を立てて進めた結果、「これは失敗する」と感じているにもかかわらず、身動きが取れず、目標を立て直すことができない人もいます。
目標や計画を柔軟に修正して、着実に前へ進めるような余白を残しておくことも大事です。
目標の期間が長ければ長いほど、修正する機会は増えるので、長期目標はあくまで目安程度にしておきましょう。
目の前の急ぎの仕事に対応していると大きな目標は後回しになる
〈長期目標のワナ④〉後回しにしてしまう
新年の目標を立てたとして、1月の時点でその目標を実現できそうなチャンスが訪れたとします。しかし、目の前には緊急性の高い、やるべきことが山積み。そうすると「今ではなくてもまだ時間はあるし……」と、せっかくのチャンスを先送りにし、目の前の緊急なことから取りかかります。
その後、どうなるでしょうか?
緊急なことへの対応が終わったと思ったら、また緊急性の高いことが目の前にやってきます。
もう皆さん、おわかりでしょう。
緊急なことが次々と目の前に現れて、いつの間にか新年の目標は頭の中から消え去ってしまうのです。
せっかく目標を立てても、後回しにしていては意味がありません。目標が大きいほど、後回しにする確率も高まります。
〈長期目標のワナ⑤〉時代は待ってくれない
時代の流れも無視してはいけません。
例えば、コミュニケーションツールは、1996年頃にポケベルの普及率がピークに達し、その後、PHS、携帯電話、スマートフォンと、約10年で急激に変化していきました。
そんな中、あなたはエンジニアで、年々加速している時代の流れを無視して、1990年代からコツコツとポケベルの改良に何年もかけていたとします。そして、ようやく納得のいくポケベルを開発できました。
しかし、時代はすでにスマホ時代。せっかく素晴らしいポケベルを作り上げても、利用する人は誰もいなかったなんてことが、極端な話、あるわけです。