パーティー、会社員時代の経験を活用
E氏は毎週ホームパーティーを開催し様々な人と知り合いになり、情報収集をしていた。
元コンサルであるが、リサーチをして参入を検討するということはあまりしていない。
製薬メーカーに勤務していた際、E氏は医師向けに使われている患者情報管理システムの欠点を発見した。
これを改善するためのシステムを作ればよいのではないかという発想を得た。
「業界関係者」というポジションを獲得する
S氏はコミュニティに深く入り込み、周囲に業界関係者として認知されることを常に意識している。
そのためには飲みに行く機会を重ね、事業に取り組み続けることが重要だという。
S氏がそう考えるのには、今も続けるキャスティング事業での成功体験がある。
それは、インフルエンサーたちが集まる飲み会で「有名芸能人のTがゲーム実況をしたいらしい」と聞きつけ、Tにすぐコンタクトを取り、ゲーム実況系のプロモーションをやらないかと打診したところ、二つ返事で受けてもらうことが出来たというものだ。
このようにキャスティングはコミュニティの深部に入り込み、業界に精通している者として認知されることで初めて出来る事業である。
S氏はコンサル時代にデスクトップリサーチも多数行っていたが、エンタメ業界は非公開情報が多いこともあってか、エンタメ系の事業で役に立ったことはほとんどないという。
どのような事業であっても業界関係者として認識されることは大切である。
例えば、YouTuberのキャスティングのような広告案件は、フォロワー数などオープンになっている情報をもとに事業を始められるが、キャスティングはそうはいかないのだ。
キャスティングの経験を重ねるほど、タレントの性格といった関係者でしか知り得ない内部情報が分かってくるので、自分にしか出来ないイベントやタレントのマネジメントといった、業界のより深い場所で事業を展開出来るようになっていくのである。