点から線に変わった中国の日本買収
上海電力が取得していたのは実はここだけではない。むつ市の陸奥湾に面した海上自衛隊の大湊地方隊の基地近くの一帯も買われていた。登記簿上は日本人が所有し、事業認可はSMW東北という合同会社で会社の住所は上海電力。全く同じパターンである。
産経新聞編集委員の宮本雅史氏は日本の国土が外資に買われる問題を長年取材してきた。氏は、2018年に李克強首相(当時)が北海道を訪れたときから中国人の日本の国土買収のパターンが変わってきたと述べる。かつて点として買っていたのが、今は線として買っているというのだ。
たとえば、青森県三沢基地に近い、岩手県安比高原のインターナショナルスクール、宮城県仙台空港周辺の土地、仙台市の自衛隊基地付近で計画されている大物流センターというふうに辿っていくと奇妙なものが見えてくると言うのだ。ここに列挙した以外の土地取引で「中国資本」「中国系資本」で括ると、青森から東京まで国道4号線沿いの点と点が1本の線でつながり、その線上に自衛隊の基地や、その基地につながる物流センターの所在が浮上するとも宮本氏は指摘した。
洋上風力発電の名の下に合法的に丸裸にされる
もう一点、氏の指摘で重要なことは、洋上風力発電に関してだった。本稿でも一部触れた点だが、経済産業省及び国土交通省が主導する計画では、再エネ海域利用法に基づいて入札が行われる。その際、公募事業者には海底の資料が全て開示される。その周辺海域の潮流、風向き、海底の地形、地質などだ。
以上の情報は応募しただけで入手できる。落札して事業を請け負う事業者だけでなく、応札した事業者全てに情報が開示されるのだ。さらに選定された場合、事業者は区域占有許可を与えられ、30年間にわたってその海域を占有できる。独自に海底調査をすることもできる。
日本列島は洋上風力発電の名の下に、合法的に丸裸にされる仕組みである。
中国企業は民間企業の形であっても中国共産党の支配下にある。中国の企業は全て、親会社としての中国共産党、習近平商店の配下にあることを肝に銘じ、国土の安全保障のために、日本国の政治家はいま迅速に動かなければならない。