なぜルールが厳格化されたのか

今回ルールが厳格化されましたが、ルールの厳格化は今回が初めてではありません。ふるさと納税が人気の理由は何と言っても寄附をするとお礼の品がもらえるという点にあります。寄附を集めたい自治体が換金性の高い商品券などを返礼品にしたり、寄附金額に対して高い還元率で返礼品を送るようになり、返礼品競争が加速してしまいました。

そのため、2019年に返礼品のルールが厳格化され、ルールに従わなかった自治体は寄附金控除の対象の自治体から除外されることになりました。

しかし、やはり返礼品競争は続いており、今回さらにルールが厳格化され、下記の2点が追加されました。今後もルールの厳格化は随時行われていくのではないかと思います。

写真=iStock.com/suntakafk
※写真はイメージです

〈2019年に厳格化したルール〉
・返礼品は寄附金額の3割以内の価格とする
・返礼品は地場産のものとする
・返礼品は換金性の高いものにしない


〈今回厳格化したルール〉
・返礼品は寄附金額の3割以内の価格かつその他必要経費を含め寄附金額の5割以内とする。
・加工品のうち熟成肉と精米について原材料が当該地方自治体と同一の都道府県内産に限る。

自己負担2000円って、どういうこと?

ふるさと納税は自治体への寄附に対する寄付金控除なので、寄附自体はいくらでも可能ですが、自己負担が2000円で済むのには上限額があります。上限額は年収や扶養人数、その他の控除を受けているかどうかによって異なります。自分の上限額がいくらなのかを知りたいときはふるさと納税ポータルサイトでシミュレーションすることができます。

ふるさとチョイス「控除上限額シミュレーション」より

上限額のシミュレーションに必要な情報は源泉徴収票に書いてあります。上限額は寄附をした年の収入等によって決まります。毎年収入が一定の場合には前年の源泉徴収票を基にシミュレーションをしても大丈夫ですが、年によって収入に増減がある場合には注意が必要です。前年よりも収入が少ない場合は上限額も下がることになります。

また、収入は同じでも扶養人数やその他の控除によって上限額が変わるため、同僚と同じ年収だからといって上限額が同じとは限りません。

扶養家族が多い人、生命保険料控除がある人、iDeCoを行っている人、住宅ローン控除がある人は控除が増えるために上限額が下がります。また、年末調整後に医療費控除の申請のために確定申告をする予定のある人は源泉徴収票の内容だけでは正しく計算されませんので医療費控除の金額も入れ忘れないように注意してください。

控除を入れ忘れると上限額が多く見積もられ、それ通りに寄附をすると、自己負担が2000円で済まなかった! 寄附をしすぎた! ということになります。

また、扶養人数については15歳以下の子どもを含めないように注意しましょう。15歳以下の子どもに対する控除はありません。子どもを扶養としてカウントしてしまうと控除額が実際より多くなってしまい、ふるさと納税の上限額が少なく見積もられてしまいます。もっと多く寄附しても上限額にならなかったのに! ということになります。

シミュレーションができるサイトはたくさんあり、サイトによって上限額が違って出てくる場合もあります。これは上記の控除が正確に反映されているかどうかによるものです。数値を詳細に入力して計算したものが正確なので、細かく入力できるシミュレーションがおすすめです。