若手社員に嫌われる「昭和だよね」の本質

このように、昭和20年以降の時代を、主に人事労務管理の観点から描いて分かることは、日本企業に勤める会社員のこれまで当たり前だった働き方は、ある意味で国策や会社内の事情とともに形成されてきたものだということである。

そして、日本人がその性質として保持する集団主義的発想や行動と、国策などが結びついたときに、それはある種の抗しがたいムードへと変わり、個人への強要へと変わる。これこそがいまどきの若手社員に嫌われる「昭和だよね」の本質なのではないだろうか。

新井健一『それでも、「普通の会社員」はいちばん強い 40歳からのキャリアをどう生きるか』(日本経済新聞出版)

しかしながら、だからと言って、集団主義と「昭和だよね」がそのまま結びつくわけではないし、ましてや「和を以て貴しとなす」と「昭和だよね」が結びつくわけでもない。また本来であれば、たとえば経済を立て直し、発展させるために実行された国の政策などは、時限立法のように有効期間を定め、期間を過ぎたら見直す、もしくは改廃して然るべきものなのだ。

たとえば戦後、国に金がなければ国民に貯金を奨励するし、金を借りて家を買う「いつかはマイホーム」というような、それまで日本人になじみのなかった消費や暮らしが奨励されてきた。そんな日本も2040年頃には3軒に1軒が空き家になる。また、生活の自立を謳うべく、それまでの預貯金から投資を奨励したりもしている。要はそもそも当たり前など、どこにも存在してこなかったということだ。

他にも、コロナの最中に起こった様々な事件は、マスメディアの怖さ、メディアが誘発する同調圧力の怖さ、どこかで言われていることを鵜呑みにすることの怖さなど、様々な恐怖を我々に突き付けた。そして、これらは我々に2つの教訓を残した。幻想や恐怖と闘うすべと言ってもよいかもしれない。

我々一人ひとりが、先ずは国家や企業から自律し、自助の精神をもって生きていくこと
多元社会の中で、信頼できる、自分の生きがいにかなった仲間や共同体を見つけること

我々は、この教訓を頭の片隅におきながら、副業や兼業の解禁および奨励、週休3日制の導入、テレワークなど自由な働き方の推進、リスキリングなどを受け止め、自身のキャリア形成に活かしていく必要があるのだ

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