使いたくなってしまう誘惑を断ち切るのが重要

まず、「使わない時には遠くに隔離する」。

実際、子どもたちが勉強をしている時、スマホが手元にあって、使える状況だと平均6分に1回はスマホを見てしまうという研究すらあります。

勉強中にネットを見たり、SNSでメッセージをやり取りしたりしていては、学習効果や成績が下がってしまいます。脳は、「ながら作業」がとても苦手なのです。

さらに、スマホを使わずに勉強している時でも、近くにスマホがあるだけで、集中力やパフォーマンスが10〜20%も下がってしまう。

勉強や仕事の時は、スマホを使わないだけではなく、使いたくなってしまう誘惑を断ち切る必要があります。だから、「遠くに隔離する」ことが有効なのです。

例えば、子どもの食事中は、スマホを禁止にして違う部屋に置いておく。就寝時間もスマホを預かっておくのがお勧めです。

星友啓『脳を活かすスマホ術 スタンフォード哲学博士が教える知的活用法』(朝日新書)

また、適度に休憩時間を取り、その休憩の間にスマホを使ってもいいとする「テクノロジーブレイクを使う」のも効果的です。集中力のオンとオフの切り替えがうまくできるようになることも実証されています。

やるべきことに集中できるよう、集中すべき時はテクノロジーを手元から隔離して、その他の決められたタイミングで、テクノロジーを自由に使う休憩を設ける。これは、子どもだけでなく大人にとっても、生活全体に応用すべき方法です。

そしてもちろん、「親がロールモデルになる」ことも大事です。食事中にスマホを見ないようにする。自分もテクノロジーブレイクを意識する。必要であれば、違う場所でやる。そんな意識が、子どもがテクノロジーとうまく付き合っていくための大きな助けになるのです。

関連記事
夜遅くまでゲームをする子供に「いい加減にしなさい」は三流、「やめなさい」は二流、では一流の注意とは?
「宿題しなさい!」は逆効果…児童精神科医が勧める「自主的に勉強する子が育つ親の声かけフレーズ」
だから子供にゲームを与えてはいけない…神経内科専門医が「20歳未満にゲームは危険すぎる」と訴えるワケ
子供を「天才」に育てるリミットは4歳…人間が生まれながらに持つ「自然知能」の"賞味期限"
スマホ世代には絶対に思いつかない…1990年の雑誌『ポパイ』に大量に載っていた「ある家電製品」