多様な体験をバランス良くすることで認知能力が上がる

では、スマホの代わりに何をやればいいか。

スマホを長時間やるせいで、本来やるべきことがおろそかになっている。そうであるなら、そのやるべきこととは何か。

公園で一緒に犬の散歩をする父子
写真=iStock.com/kohei_hara
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家族との団欒や、戸外での運動。自室で勉強したり、家の周りをぐるっと散歩しながら、ボーッと空想をしてみたり。

特に子どもの脳は、多様な体験をバランス良くすることで、認知能力が効率的にアップしていきます。認知能力を鍛えたくてそればかりをトレーニングしていても、決して効果は上がらないのです。

問題はバランスです。目指すべき良きバランスがあり、スマホがそれを崩している。そうであれば、そのバランスがなぜ大事で、何が足りていないかを親子で話し合っていく必要があるのです。

子どもが過ごしたいライフスタイルや目標に対して、やるべきことは何なのか。もしもスマホをやらないのなら、代わりに何をするべきなのか。それを考えることがとても大事なのです。

テクノロジーとのほど良い距離感を早くから育てていく

大切なことなので何度も繰り返しますが、スマホなどのテクノロジーは、現代社会において大事な生活の一部です。何をするにも、スマホが必要。ですからテクノロジーのスキルを身につけることは、十分に必要なことです。

それゆえに、子どもをテクノロジーから完全に隔離しようとすることは、多くの場合、現実的ではないだけでなく、教育的でもないと私は考えています。

隔離ではなく、ほどほどの距離を取りながら、適度にテクノロジーを使いこなせる能力を養っていく。テクノロジーとのほど良い距離感を早くから育てていく。それが大切なのです。

では、上手な距離感を身につけるには、どうすればいいのでしょう。

次のような、三つの効果的な方法があります。

・使わない時には遠くに隔離する
・テクノロジーブレイクを使う
・親がロールモデルになる