「保活」は複雑で不公平な椅子取りゲームと化している
育児休業を取得すると、最初の6カ月は給与の67%が育児休業給付金として給付され、社会保険料の自己負担も免除なので、実質的には給与の約8割が給付されることになる。一方、早期に復帰して働き出すと、給与を得てはいるものの社会保険料や保育料等の支払いがあるので、実質的な手取りは育児休業給付金より少なくなる場合もある。
申請者に“ルールに基づいた優先度をつける”ということで始まった入所選考システムが、どんどん複雑になっていき、矛盾や不備があらわになってしまっている。ここに紹介している母親たちは、A市の入所申請書類をよく読み込み、どういう人が高い指数を得て入所しやすいかを十二分に理解している。だからこそ、「そんな細かい、ささいな違いで、入所できるかどうか決まる」ことに不満を持っているのだ。