北海道、千葉、新潟、長野の「森林」も買収

さらに、外国人は日本の森林も買収しているのです。林野庁の調査によれば、外国の個人や法人による日本の森林買収は2006年から増え続け、2021年までの累計は303件で2614ヘクタールになっています。

つまり、毎年200ヘクタールほどが買収されているわけです。そのほとんどは北海道ですが、千葉県や新潟県、長野県の森林も買われています。

谷本真由美『激安ニッポン』(マガジンハウス)

買い主は個人も法人もいて、香港やシンガポール、マカオなどに住む華僑が多いと言われています。また、それ以外にはアメリカや英領バージン諸島、中国の人も購入しています。

このように、北海道では森林が特に買収されているわけですが、他にも水源周辺の土地も買われています。

先ほど例に出したニセコでは、2011年4月に「ニセコ町水道水源保護条例」を制定し、5月に施行しています。これは、事業者が水資源に絡む土地取引について、事前届け出や自治体との協議を義務づけることなどを規定したものです。

この条例がつくられたのは、外国人が法人経由で水資源に絡む土地を取得し、開発する事例が増えてきているからです。

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