世界からみて、日本の不動産は魅力的に映っているのか。イギリス在住で著述家の谷本真由美さんは「北海道のリゾート地ニセコのメインストリート『ひらふ坂』の物件はすでに8割が外国人所有になっている。収入がどんどん上昇し、インフレで物価や不動産価格も上がっている国に住んでいる人にとっては、空き家だらけで、しかも1軒500万円程度で中古住宅を手に入れることができる日本はまるで夢の国だ」という――。
※本稿は、谷本真由美『激安ニッポン』(マガジンハウス)の一部を再編集したものです。
1軒500万円程度で中古住宅を買える日本は夢の国
日本の空き家物件サイトをのぞいてみると、都内に通勤可能な地域でも、中古住宅が500万円とか800万円で出回っています。
海外からの需要が高い別荘地であっても価格は非常に割安で、たとえば神奈川県逗子市の高級住宅地にある富裕層が住んでいたと思われる豪邸でも値段は1億円程度です。
これがサンノゼだったら1LDKの中古マンションしか買えないわけですから、どれだけ手頃かということがよくわかるでしょう。
日本人が自宅用として買わないような別荘地やリゾート地はすでに外国人がたくさん買っています。北海道のリゾート地ニセコは今、外国系資本が続々進出しています。ニセコのメインストリート「ひらふ坂」の物件はすでに8割が外国人所有になっているといいます。
少子化によって人口が減少する日本では、これから激安の住宅がどんどん市場に出回ることになります。
野村総合研究所の調査によると、2033年にはおよそ2150万戸が空き家になり、空き家率は30%を超えると予測されています。
収入がどんどん上昇し、インフレで物価や不動産価格も上がっている国に住んでいる人にとっては、空き家だらけで、しかも1軒500万円程度で中古住宅を手に入れることができる日本はまるで夢の国なのです。