日本は世界からどうみえているか。イギリス在住で著述家の谷本真由美さんは「世界的な物価上昇の中、物価や家賃が安い国に住み、必要なときにLCCで国境をまたぎ通勤するというスタイルが当たり前になっている。日本も世界からみてあらゆるコストが安い国なので、外国人の移住先として魅力的だ」という――。
※本稿は、谷本真由美『激安ニッポン』(マガジンハウス)の一部を再編集したものです。
「学費」で見る海外との価格差
日本では、少子化が急速に進んでいますが、その原因として、教育費が高すぎると指摘している人がいます。しかし実は、日本は他の先進国に比べて、教育費は激安なのです。
この本の読者の中には大学生ぐらいのお子さんがいる人もいると思うのですが、日本において格差がぐんと出てくるのが「学費」です。
まずアメリカでは、地元の学生が公立大学に通う場合、学費は年間5000ドルから1万5000ドル程度(70万円から200万円)ですが、州外の学生や留学生が公立大学に通う場合、学費は2万3000ドル程度(320万円)にもなります。
さらに、私立の有名大学だと学費は非常に高く、一番安いところで年間3万ドル(420万円)、名門大学だと1年に5万ドルとか6万ドル(690万円から830万円)になります。
私は2000年前後にアメリカの私立大学の大学院に通っていましたが、そのときは授業を取り放題で学費は年に120万円程度でした。
生活費はいろいろと切り詰めて年に100万円ほどだったので、東京で学生生活を送るよりも安く済ますことができていました。