「働きがい」のある企業は売上伸び率が21.9%高い
次のような意見をよくいただきます。
「働きがいを高くするのは大事かもしれない。けれど、そもそも稼げないと企業は成り立たない」。
この意見に対して「働きがいと業績は、相関関係がある」ことを説明しています。
図表3はGPTW Japanの「働きがいのある会社」ランキングに参加された企業のうち、ランキング選出企業とランクインしなかった企業における、2016年度と17年度の売上高の分析です。コロナ禍など、社会的な変化による事業への影響が少ないと思われる年度のデータを使用しました。
ランキング選出企業が33.9%、ランクインしなかった企業が12.0%で、売上の対前年伸び率が21.9ポイント高い結果となり、かつ、統計的に有意な差があることが確認できました。
最も売上伸び率が高いのは「いきいき職場」
では、前述の4つの職場タイプで業績の違いはあるでしょうか。
分析の結果、2016年度と17年度の売上の対前年伸び率は、「いきいき職場」(働きやすく、やりがいもある)が最も高い値43.6%を示しました。次いで、「ばりばり職場」(働きやすさはないが、やりがいがある)において高い値(22.0%)を示しました(図表4)。
一方で、低くなったのは、「しょんぼり職場」(働きやすくもなく、やりがいもない)が6.5%、「ぬるま湯職場」(働きやすいが、やりがいがない)が6.0%で、同水準となりました。
特に小規模部門の企業(従業員25~99人)ほど、この傾向は顕著に見られました(「いきいき職場」60.8%に対して「しょんぼり職場」11.5%)。