働きがいとは「働きやすさ+やりがい」
働きがいとは何か。結論から言うと働きがいとは、職場に「働きやすさ」という大前提がある上で、「やりがい」を感じている状態を指します。働きやすさ、やりがいをそれぞれ見ていきましょう。
「働きやすさ」とは、社内の環境や福利厚生も含めた制度など、会社側がある程度、整えるべきものと言えます。「見えやすい要素」ですが、時代によって変わります。たとえば「長時間労働は是正するべき」「有給休暇は取得すべき」という働き方改革の流れで、劣悪な労働環境の職場は淘汰されつつあります。また、コロナ禍になり「リモートワーク環境が整っているか否か」が、働きやすさのひとつの判断基準になりつつあります。
「やりがい」とは、会社や社会への貢献実感や自己実現の度合いといった働く動機にかかわります。「なぜ、その仕事をしているか」の答えが人それぞれであるように、一人一人の価値観によるところが大きいもので、見えにくい要素です。
仕事に対する不満をもたらす2つの要因
働きやすさとやりがいについて、学術的な観点でも解説しましょう。アメリカの臨床心理学者フレデリック・ハーズバーグは「二要因理論」で、仕事に対する不満をもたらす要因を「衛生要因」、満足をもたらす要因を「動機付け要因」と名付けています。
衛生要因……会社の方針、労働環境、労働時間、報酬など。本人の努力では、なかなか変えにくい要素。整っていないと不満に繋がるもの。
動機付け要因……仕事がもたらす達成感、自分の成長、責任ある仕事を任されることや挑戦の機会など。本人の心理的要素による影響を大きく受ける。あればあるほど、やる気やモチベーションに繋がるもの。
仕事のモチベーションは、この2つの要因が絡まり合って決定するというのがハーズバーグの見解です。この衛生要因が働きやすさ、動機付け要因がやりがいに近い考え方です。