3人目の身体は倒れたままビクビクと動いていた…
Iくんは怒鳴ると、例の3人組にむけて銃を発射した。
「ダン! ダン! ダン! ダン! ダン!」
その場は阿鼻叫喚と化した。チュ氏はアタマを抱え、その場に伏せた。周りの連中も一斉にその場に伏せた。トッキティギをしていた連中は一斉に逃げ出した。
2、3メートルの至近距離で撃たれた3人はその場に崩れ落ちた。計5発の銃弾が発射され、そのうちの1発は1人目を貫通し、2人目も貫通し、3人目の体内でようやく止まった。前ふたりは即死だった。3人目の身体は倒れたままビクビクと動いていたが、彼の運命ももはや時間の問題だった。
あたりには血と肉片が飛び散り、死体から流れ出した血の海が、どす黒く広がった。
「後悔はしていません」
Iくんは撃ち終えた銃を脇に置き、がっくりとひざまずいた。そして肩を落としたまま動かなかった。
銃を置いたのを確認すると、教官が飛び出してきてIくんを取り押さえた。
「とうとうやっちまったか」
連行されるIくんを目で追いながら、チュ氏はそう思ったという。
おそらくIくんは射撃訓練を待っていた。そしてやつらを射殺する機会を狙っていたに違いない。
その後の事情聴取で、Iくんは、
「後悔はしていません」
ときっぱり言ったという。
その後、彼が死刑になったのか、それとも服役したのかは、わからない。
射殺された3名は「訓練中の事故死」ということで処理されたという噂を後で聞いたが、これも事実かどうかは、わからないという。