日本型雇用が特に強く根付いているのが特徴

また、日本型雇用が特に強く根付いているケースが多いのも、これらの企業グループの特徴です。新卒社員を長期間にわたってしっかり育成するための研修制度やキャリアパスが整備されていたり、福利厚生もしっかりしていたりします。

参考程度に、「5大総合商社」の一角、三菱商事の採用実績は図表2の通りです。

10位で採用数が2人ですから、ほぼ、このレベルの大学で占められると考えてよいでしょう。このように見ると、トップ10にMARCHの名前はなく、東京大学や京都大学、早稲田や慶應の学生に占められているのは一目瞭然です。

もちろん、「ここに挙がっている大学に進学したから、こうした企業に入りやすくなる」ということではありません。しかし、「Aランクの企業の求める学生像が、ここに挙がっているような大学の学生である」。逆にいえば、「こうした企業に入りたいならば、ここに挙がっているような大学を卒業しないと難しい」というのは、間違いないと思います。

食品メーカーの倍率は例年飛び抜けて高い

「まちづくりや都市開発をしたい」「テレビ制作やメディアに関わりたい」という高校生は多くいますが、それを行なっているデベロッパーやテレビ局が見ている学生は、基本的にはここで挙げた層である、ということを理解しておくことが必要です。

ちなみに、逆のパターン(より上位校に進学した学生が、よりランクの低い企業への就職を希望する場合)もあるかと思います。その場合は、企業から志望の本気度を疑われ、やや選考が不利になるケースも見られます。希望する将来像がある程度固まっている場合には、それを踏まえて進学する大学を選ぶことをお勧めします。

ただし、より下位校の学生が高ランクの企業を目指すよりは有利になりますので、迷っているならより上位校を目指しておいたほうがいいでしょう。

なお、学生が就職を希望する企業は、一般消費者への知名度に極端に影響を受けるため、中でも食品メーカーの倍率は例年、飛び抜けて高い傾向にあります。そうした競争に勝ち抜くためには、学歴を無視はできないはずです。