60歳で新しい自分に生まれ直す

60歳で「新しい自分」に生まれ直すことにした青木さんは、60歳の誕生日に名前を変えました。本名から「羊耳」と名前を変えた。「新しい自分に生まれ直す」という決意をしたわけです。

「60歳からが私の人生の本番でした」と青木さんは、言います。

「新しいもの」を食わず嫌いで避けないことも人生が好転する秘訣です。

ある日のFacebookにはこう書いていました。

JAICO(日本カウンセラー協会)神奈川支部でリモート研修の手ほどきを受けた。

リモート会議に参加したことはあったが、講師として、リモートのホストとして連続講座をおこなったことはまだない。

手ほどきを受けて思うことは、リモート研修はコロナ禍が終わるまでの一過性のものではない。グーテンベルグの印刷機の発見や、産業革命による資本と経営の分離ほどに、革命的なものと感じた。

リモート研修によって、受講者は距離・交通費の制約から解放され、日本中どこの講師の講座でも受講できるようになる。その一方で、講師の力量は県や地方区の垣根を越えて全国区で評価されるから、講師にとっては試練の時を迎えることになる。その結果、講師の力量の平均レベルが上がるとすれば、素晴らしい革命だ。

対面研修に比べて、リモート研修のもどかしさはあっても、総体として「リモート研修」という革命的な方法が出現したことによって、プラスマイナスして、結果はプラスのほうが大きいとも考えられる。毛嫌いしていると、時流からも、カウンセリング・講師業界からも、仲間からも「取り残されて」しまうかもしれない。

90歳の方が書いた文章です。

90歳にして、時流から「乗り遅れない」ようにされているんです。脳が若い証拠だと思います。自分はまだ現役だという意識なんですね。

絶対に使わない2つの言葉

青木さんは「もう」と「どうせ」の2つの言葉を禁句にしています。

これもある日のFacebookの文章です。

高齢者の多くが二言目には「もう」「どうせ」を連発する。「もう○歳だから」「どうせ死ぬんだから」と言って、自分で自分をディスカウントする。

健康段階と介護段階の中間にフレイル段階がある。血圧が高い、足腰が痛い、動作が鈍くなったなど、フレイルを理由に、消極的でマイナス思考を表明する(フレイルというのは、高齢者が身体が脆弱になっていることです)。筋力が衰えて、立てなくなったりすることです。

高齢者よ、ちょっと待った。早まってはいけない。

WHOの健康の定義に倣えば、フレイルにも3つある。フィジカルフレイル、メンタルフレイル、ソーシャルフレイルだ。

この3つのうち、努力しても、なかなか思い通りにならないのはフィジカルフレイルだけだ。本人の努力次第では、メンタルフレイルとソーシャルフレイルは、ひきつづきウェルビーイング(well being)状態をキープし、フレイル段階に進行させないですむ。

高齢になればフィジカルフレイルは当たり前だと思おう。血圧が高くなったのも、足腰が痛くなったのも、動作が鈍くなったのも、高齢になれば当たり前と思えば、メンタルをフレイルしなくてすむ。ソーシャル(人間関係)がそれをカバーしてくれる。

90歳の女性がとてもイキイキ活躍している姿は時々目にしますが、90歳の男性でこれほど活躍している方はなかなかいません。