「チームは監督と選手の信頼関係がすべて」
こうした思いに加え、目の前で泥だらけになって白球を追いかけている少年たちが、ぐんぐん育っていく姿を見守ることにやりがいを覚えていた。再び、前掲書から引用したい。
そんな子どもたちを指導していると、本当に大事なことにいろいろと気づかされる。
わたしの話を聞く彼らの目を見ていると、こちらが発した言葉が彼らの胸に刺さっていくのが顕著にわかるのだ。わたしを信頼し切って疑わない姿がそこにあるといっていいだろう。やはりチームというのは、監督と選手の信頼関係がすべてだとあらためて気づかされたものだ。「プロ野球の原点は、少年野球にあり」である。
「プロ野球の監督よりよっぽど楽しい」
妻でありオーナーでもある沙知代は、この当時の野村の心境を自著『女は賢く 妻は可愛く』(海竜社)で、次のように紹介している。
あるいは、『女が人生を前向きに生きるための「明日じたく」』(大和書房)では、当時の野村のこんな言葉も紹介している。
野村はムースでの指導に生きがいを見出していたのだ。