店への配慮もモテる紳士の条件
本当の楽しみは、キャストとの間に、人と人との信頼関係を結んでから始まる。
店への配慮というものも、モテる紳士の条件の1つだ。周囲へ配慮できるゆとりのある方はかっこいい。
一方、接待飲食店が好きではないという男性からよく聞くのは、「客である自分のほうが女の子に気を遣ってしまって、会話を振ったりするのが疲れる」という意見だ。
これは、キャスト側の力不足であることは否めないので、申し訳ない気持ちであるが、そんななかでも楽しめる方法を強いて伝えるのなら、店に指名制度があるのならば指名をしてみる、ということだ。
キャストにとって、自分があえて選ばれたという自信と喜びが、仕事を頑張ろうというやる気とお客様への好意につながるのだ。
これは、報酬云々の問題ではない。指名で出るパワーというのは金額以上のものがある。
キャストは、キャストという役柄を演じながらも、一人の人間、「個」として認められることを願っている。
それは人間皆が欲する欲求であり、そのことを理解するお客様こそが、真のモテるお客様なのだ。
社会に貢献し、社会に認められる
最後のアクターは「社会」だ。我々は、働く人も、店も、顧客も、社会に対して貢献していると考えている。
そんな業界を社会が認めてこそ、より貢献できるものだと思う。日本水商売協会の活動を通じて、社会のあるべき姿勢を伝えたい。
・「水商売」という職業を正しく理解し、職業として尊重すること
それぞれのアクターがそれぞれを尊重し、お互いを認め合ってこそ、すべてがうまく回りだすものではないか。
日本水商売協会は、このような世界を目指したい。そのために、それぞれが目指すべき姿を設定し、改善に向けて活動を続けているのである。
なお、この4つには含まれないが、行政や法とのかかわりも重要だ。
風俗業の監督官庁は公安委員会であり、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」に基づいて、各店舗が都道府県公安委員会に営業許可を得て活動している。
この点については、本書の別ページで解説している。