働く女性が成否を分ける
「働く女性」は、もっとも重要なアクターだ。
接待飲食業が成功するか否かを分ける、最大の要因は「人」である。良い子がいればお店が繁盛し、良い子がいなければお店が衰退する。接待飲食業は、人とのコミュニケーションが売りものだからだ。
お酒を飲みたければ、スーパーやコンビニで買える。お酒を提供されたければ居酒屋へ行けば良い。雰囲気の良い空間でお酒を提供されたければバーへ行けば良い。
そうではなく、クラブやキャバクラやガールズバーやスナックやショーパブへ足を運ぶのは、そこで働く人だったり、そこに飲みに来る客だったり、人とのコミュニケーションを求めているからだ。接客というコミュニケーションに値段が付いているのだ。
では、どういう「人」が「良い子」なのだろうか。もちろん、一般的に売れっ子という言葉でイメージするような容姿端麗な女性は、そうでない人に比べてアドバンテージがあることは間違いない。
とはいえアドバンテージ止まりであり、美人というだけで売れっ子になれるわけではない。むしろ、それより重要なのは、仕事への姿勢や取り組み方だ。
目指すべき能力は教育で身につけられる
現状では、個人のスタンドプレーばかりで自分のメリットばかりを主張する人や、お客様と適当に話を合わせていればいいと考えている人、目先のお金ばかりを追いかけ、感情に流されそれを態度に出し、遅刻やドタキャンなどを平気でしてしまう、そんなキャストが残念ながら存在し、それが業界のイメージの一部になってしまっているようにも感じる。
では、具体的にどのような「人」を目指すべきであるか。我々日本水商売協会の見解は次のとおりだ。
・店という組織の一員としての自らの役割を考えられる人。
・自分のメリットの前に、店のメリットを優先できる人。
・お客様に対して、(表面上ではなく)人として好意を持って接することができる人
・お金に魂を売ることなく、プロとしての努力が伴った健全なプライドを持てる人。
・常に笑顔でいられる人。
・社会人としてのルールやマナーを守れる人。
これらは、どんな「人」であっても、本来教育で身につけられる能力だ。そういった意味でも、教育こそが、事業の成功を大きく左右する重要な役割を担う。日本水商売協会は、このような「人」の教育を担いたいと考えている。