相手に興味を持ってもらう一番の近道

人脈を広げる上で大事になるのは、いかに自分に興味を持ってもらうかということです。

自分が相手にどれだけ興味を持って近づきたいと思っても、相手がこちらに対して興味を持たず、何のメリットも感じなければ近づくことは難しいでしょう。

それにはまず相手をよく知ることが大前提となります。

相手の性格、好き嫌い、趣味嗜好、行動パターンなど、できるだけ相手の情報を集めること。特に大事になるのが相手の専門知識や教養レベルがどれくらいかということ、さらには思想信条、あるいは思考のパターンを理解することです。

その人物が著名人で、著作や論文など何かしら書き残したものや、本人を取り上げた新聞や雑誌記事があれば、それらをチェックするのは基本中の基本です。ただし、一般の人の場合はそのようなテキストがありません。

そういうときに便利なのがSNSなどによる発信履歴です。FacebookやTwitterなどで本人が何かしら発信しているものがあればそれを調べます。その人物の興味や行動、考え方などを知る貴重な手がかりになるでしょう。

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相手を知り、相手の持っている知識や関心に合わせて話をすること、自分をアピールするのではなく、相手が乗ってくる話をすることがポイントです。

できるならば、相手と同じか、それに近いくらいの知識や教養があればなおいいでしょう。

「なんだか面白そうな奴だな」と相手が思ってくれたらしめたものです。

かりに相手ほど知識や教養がなかったとしても、その領域のことに対して関心を示し、質問するだけでも印象はかなりよくなるはずです。

大物の警戒心を解くには距離感が重要

人脈をつくるにあたって陥りやすいのは、相手との距離感を見誤ることです。特にどうしてもこの人と近づきたいと考える相手であればあるほど、距離感を間違えやすくなります。

思いが強いあまり、つい相手に近づきすぎてしまうのです。恋愛でもそうですが、得てして追えば追うほど、相手は負担に感じて逃げてしまうものです。

特に仕事の人脈は、基本的に利害関係です。相手にしてみるとガッついて距離を縮めてくるほど、「どれだけ得をしようとして、焦って近づいてきているのか?」と魂胆を見極められてしまいます。

特に誰からも一目置かれるような重要人物となると、周囲にはそのような輩で溢れています。すると「またこいつもか」と思われてしまうのがオチです。重要人物ほど、距離感がとても大事になってきます。

かつて私がモスクワの日本大使館に勤めていた頃、当時ボリス=エリツィン大統領の側近でソビエト連邦の崩壊のシナリオを描いたゲンナジー=ブルブリスという人物がいました。

しかし、この人物は大変な切れ者である一方で、非常に気難しいことで有名でした。彼に近づくことができた日本人は誰もいませんでした。

私は一計を案じ、ブルブリスが登壇するシンポジウムに、私もパネリストで参加することができれば、懇意になることができると考えました。