後出しじゃんけんは反則ではない

もう少し言わせてもらうと、「審判が選手に意見することで批判されるのなら、選手が審判に意見することも批判されるべきじゃないの?」ってことなんです。

このような解説をYouTubeでしたのですが、SNS上では、「キャッチャーってそんなことまでやっていたんだ!」「キャッチャー目線で解説されているのを聞くと勉強になるね」といった意見が結構目につきました。それで「里崎の話には納得した」「さすがかつてWBCのベストナインに選ばれた男だ」などと評価が高まりました。再生回数も57万回視聴を記録し、間違いなくバズりました。

このようにYouTubeは、使い方次第で自分の価値を高めるツールになるわけです。そのためには、日頃から自分なりの視点での分析力を磨いておくこと。そして、やはりこれが教訓です。発信の順番が3番手、4番手になるくらいなら、情報を徹底して調べ尽くして、あえて最後尾に出すべし。YouTubeにおける「後出しじゃんけん」は反則じゃありません。

守っている最低限のルール

テレビやラジオとYouTubeの最大の違いは何か。僕はこう答えます。

テレビやラジオはスポンサーに配慮しなければならず、場合によっては誰か謝らなければならない人が出てくることがある。

もしテレビやラジオで、出演者がある事柄に対してあることないこと暴言を吐き、それをきっかけに炎上してしまったとします。その番組のSNSには視聴者からの猛烈なクレームが押し寄せることでしょう。さらに放送している局側の電話も同様に痛烈な意見を伝える声が集中するはずです。

里崎智也氏(写真提供=徳間書店)

ただ、本当に厄介なのは視聴者からのクレームというよりも、「あの発言はちょっと……貴局はどうご判断されますか」などとシビアな意見を言ってくるスポンサー筋です。番組はスポンサー企業からの協賛によって成り立っていますから。

局のお偉いさんたちは収拾のために先方への謝罪行脚に回ったりするのかもしれませんけれど、そうなると暴言の主もただでは済まされません。暴言を吐いたのが局の社員などであれば当分の間謹慎、外部のタレントであれば降板などの処分が下されることでしょう。

僕のことをテレビやラジオで好きに意見を言っているヤツと思っている人もいるかもしれませんが、こういう最低限のルールは守っているんですよ。