函館―釧路間を約半日かけて走った

第3位 JR北海道キハ183系

国鉄時代の1979年に登場。キハ80系に比べ、冬の北海道でも安定した運転ができるよう、ディーゼルエンジンや耐寒耐雪構造を強化したほか、普通車にもリクライニングシートを採用し、快適性も向上した。先頭車はスラントノースで、国鉄の特急形電車と同様に運転台を高い位置に配した。

筆者撮影
残るキハ183系500番台グループのうち、先頭車とグリーン車の2両は登場時のカラーリングを身にまとう。

極寒の1980年2月10日に特急〈おおぞら5・4号〉でデビュー。当時、石勝線は存在しておらず、函館―釧路間を10時間以上かけて結んだ。その後、特急〈北斗〉〈北海〉〈オホーツク〉にも投入された。

1986年にキハ183系500番台が登場。国鉄の概念を打ち破る斬新な塗装、すべての座席に背面テーブルを設置、グリーン車を眺望のよいハイデッカーにするなど、グレードアップを図り、人々に衝撃を与えた。

国鉄分割民営化後はJR北海道が継承。引き続き増備を続けたほか、自社苗穂工場の手により、リゾート気動車のキハ183系5000番台『ニセコエクスプレス』、キハ183系5100番台『クリスタルエクスプレス』、キハ183系5200番台『ノースレインボーエクスプレス』という“オンリーワン”の車両もお目見えした。

筆者撮影
『ノースレインボーエクスプレス』は、ハイデッカー4両、2階建て車両1両の5両編成で、すべて普通車。

また、1999年にはキハ183系500番台をお座敷車両に改造したキハ183系6000番台が登場。定期特急に併結する態勢を取り、車両運用の効率化を図った。

現在はキハ183系500番台グループ、キハ183系5200番台『ノースレインボーエクスプレス』が最後の活躍を続けており、2023年をもって44年の歴史に幕を閉じる。

前者は特急〈オホーツク〉(札幌―網走間)特急〈大雪〉(旭川―網走間)、これからの季節は前面が雪化粧した姿で最後の力走を迎える。

後者はすでに一般の営業列車の運行が終了し、2023年4月予定の団体貸切列車が乗車のラストチャンスとなる。

なお、JR九州のキハ183系1000番台(1988年登場)は、引き続き運用される。