2024年までに20拠点200棟を目指す

――今後の展開を教えてください。

これまでは山の中や湖畔に適したキャビンを開発してきましたが、2023年には海辺に適したタイプを発売し、新たな拠点もオープンさせる予定です。僕たちとしては、これでようやく第2ステージが始まるなと気持ちを新たにしています。さらに同年には、海タイプも含めた「100棟着工計画」を立てています。

今後は、2024年までに20拠点200棟を目指しています。事業の持続性を考えて土地の選定は慎重に行いつつ、東京に住む人以外もターゲットを広げ、国内の100万人都市周辺、例えば大阪や札幌周辺などでも拠点を増やしていきたいですね。

――スタートアップの段階でそんなに拡大して大丈夫なのでしょうか。

拡大しても、他の宿泊サービスとはハードとソフトの両面で差別化していけると思っています。まずハード面では、キャビンをプロダクト(製品)として捉え、オリジナルで開発したものをすべて規格化して使っています。これはコスト削減にも大きく役立っています。

写真提供=SANU

キャビンの部材はすべて規格化し取り替え可能

キャビンの特徴としては、新築、木造、ミニマルなデザインなどが挙げられますが、遮音性や断熱性にもこだわり、建築物として今後40年使い続けられるレベルを目指しました。使われているおよそ3万の部材もすべて規格化してあるので、何かあればすぐ取り替えが可能です。

ソフト面では、無人管理や体験のクオリティーを重視しています。真夜中にキャビンに到着したとしても、自宅に帰ったときと同じように、車を停めてカギを開けて室内でリラックスするまでをいかにストレスなく体験してもらえるか、ということですね。

僕たちは、こうしたソフトとハードのトータルパッケージで、「SANU 2nd Home」を他にはないサービスにしていくつもりです。事業を拡大しても皆さんにSANUらしさが伝わる水準を、大手デベロッパーが似たような事業を始めたとしても皆さんに選んでもらえる水準を目指していきます。