王道×王道で個性を発揮する

料理に特化できない場合は王道を組み合わせて個性を作ることもできます。

たとえば、僕が開業したお店はイタリアンバルですが、これはイタリアン×居酒屋です。同じように中華×居酒屋でも違いは生み出せますし、洋食×居酒屋みたいに王道を掛け合わせれば新しいジャンルを簡単に作り上げることも可能です。

焼肉と中華料理が食べられるお店も流行ってますし、王道×王道で市場のニーズがある程度、約束された中で個性を発揮する飲食店を作ることもできます。

また最近では服屋さんとカフェがコラボしたり、ギャラリーと飲食店を掛け合わせたお店も出てきています。

これはストアブランディングの一種ですが、料理にそこまで個性が出せない場合は違った視点から何度も通いたくなるお店を考えてみるといいでしょう。

料理の価格設定はどのようにすべきか

顧客単価はいくらにしたらいいだろう? 料理の価格設定はいくらにしたらいいだろう? こんな疑問を持つ方もいらっしゃると思います。

僕がおすすめする顧客単価は1、2カ月に一度来店できる単価設定です。

これは出店する地域やジャンル、お客様によって変わりますが、ラーメン屋さんは週に1回、居酒屋は2週間からひと月に1回、レストランは3カ月に1回、高級レストランは半年から1年に1回くらいが常連さんの来店頻度といわれています。

どんなに美味しい料理を作ってもお客さんが通えない価格設定では、常連さんはつきません。

料理が美味しいことも大事ですが、地域のお客様が通える価格設定であることも常連さんを獲得するためには非常に大事なことです。

そして年間いくら使ってくれるか。

これがお店を長続きさせるために大事になってきます。

1回の来店で3000円使ってくれるお客様が月に1回来店してくれたら、年間3万6000円のお金をお店に使ってもらえるということです。

客単価を上げて5000円にしたとしても、3カ月に1回の来店に減ってしまえば年間2万円です。

観光地にあり、一生に一度しか来店しないようなお客様で成り立つお店は単価が高いほうが儲かるのは当然ですが、常連さんは基本的に近所のお客様がメインになります。

亀山純一『繁盛する小飲食店のつくり方』(さくら舎)

その近所のお客様が何度でも来店できる価格であることも、長年経営していくには大事になってきます。

アドビやマイクロソフトのソフトなども、高額買い切りモデルからサブスクリプションモデル(定額制)に変化していますし、一人のお客様に年間どれだけ使ってもらえるか。この視点を持って価格設定を考えてください。それが常連さんを作る秘訣です。

ちなみにコンビニの1回の平均単価は600円くらいで、毎日通う人は1年で10万円ほどコンビニに使っているといいます。

常に満席でお断り状態でしたら、単価は高いほうが儲かりますが、行きたくても行けないお店は、お店側にもお客様側にも残念なことです。

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