「下方向」を意識すると体は本来の長さになる

ではどうすればいいか?

背骨が「下方向」に、耳と耳の中心からやさしくたれ下がっているイメージを持ってみましょう。そのとき、頭がふわっと上に離れていく感覚があると思いますが、このとき体は本来の長さとなり、身長は最大化し得るのです。

私が指導したケースでも、最大で2cmほど身長が伸びた方がいらっしゃいました。そこまでいかなくても、ほとんどの人は1cm程度は身長が伸びています。

無理も緊張も頑張りもないのに、一番長くなる。これが自然な体のあり方なのです。

姿勢をよくするときは「上方向」へ伸びてはいけない

私は「不必要な努力をやめる」「緊張と緊張する習慣を取り除く」という方針で、いつも患者さんを診ています。その観点からは、姿勢をよくしようとするあらゆる努力は、すべて不要だと断言できます。

どういうことか、説明しましょう。「上へ上へ」と体を持ち上げて頑張ってしまうこと、これは言い換えれば、重力に逆らうことです。たしかに重力は、「下方向」に働くので、首を縮めたり、背中を丸めたり、お腹を出したりして、姿勢を崩す要因にもなります。

この「下方向」の力に逆らって、姿勢をよくしようと筋肉の力で「上へ上へ」と努力しようとする気持ちは、理解できます。しかしながら、ここで見落としているものがあります。