「猫背」をなおすには、どうすればいいのか。臨床心理士の大橋しんさんは「上方向に体を伸ばそうとしてはいけない。重力に逆らうと、体は余計にかたくなってしまう」という――。
※本稿は、大橋しん、赤松かおり『すごい自然体に読むだけでなれる4コママンガ』(飛鳥新社)の一部を加筆、再編集したものです。
身長を伸ばそうと体を上に持ち上げるのは逆効果
「大人になったら、もう身長は伸びない」
ほとんどの方はそう思っていると思いますが、本当でしょうか。ちょっと検証してみましょう。「身長が伸びる」ということには、大きく2つの側面があります。
まず1つ目は、「骨が伸びる」ということ。成長期にはどんどん骨が伸びていきます。最近では、成長が止まってから骨延長手術を受ける人も出てきました。しかしこの記事の趣旨とは異なりますし、現実的なやり方ではないので、ここでは取り上げません。
今回お伝えしたいアプローチは、2つ目の「体が本来の長さになる」ということ。今の骨の長さのままでも、姿勢がよくなることで、結果として最大の身長になれる、というわけです。
身体測定のときに、少しでも身長が高くなるように「上へ上へ」と体を持ち上げて、頑張っている人を見かけたことはありませんか? ふだんは多少猫ねこ背だったり、お腹が出ていたりするところを、身長を測るその一瞬だけ姿勢をよくしたり、体を持ち上げたりして、身長の最大値を出そうとしている人、いますよね。
実はこれ、どれだけ頑張ったところで、ほとんどの場合は逆効果なんです。上へ上へと体を突き上げるほど、実は体は縮んでいます。
一番わかりやすいのは、「上方向」へ持ち上げようとする意識が強すぎて、背骨で頭を突き上げてしまうパターンです。これだと首が縮んで、身長も縮んでしまいます。首が縮んでいないように見えても、このとき筋肉は確実に緊張して縮んでいるので、身長が最大化しているということはあり得ません。