“多様な日本人アスリート”を応援するための準備を
昨今、国際移民の総数が大きく増えている。2019年は2億7200万人で、2010年から5100万人増加したと見られているのだ。国連経済社会局(DESA)が公表した「国際移民ストック2019」によると、国際移民を最も多く受け入れているのはヨーロッパ(8200万人)で、北米(5900万人)、北アフリカ・西アジア(4900万人)と続いている。
日本はさほど移民を受け入れていないが、人口減少&少子高齢化の現状を考えると、新たな「働き手」として海外からの労働者が必要になる可能性がある。経団連も「。新成長戦略」(2020年11月公表)において、「年齢、性別、国籍、障がいの区別なく、多様な主体による価値協創が促進され、社会課題の解決と社会全体の生産性向上が実現する姿を描いた。外国人が日本国内で活躍できる環境を整えることは、人口減少と高齢化が進む日本において、力強い経済成長を実現するために必要不可欠な施策である」と主張している。
今後、日本のスポーツ界はミックス選手に加えて、フランスのように国際移民の子どもたちが活躍する時代がやってくるだろう。オーディエンスも“多様な日本人アスリート”を気持ちよく応援するための準備をしていかなければならない。
アメリカ人の人気ラッパーでファッションデザイナーでもあるカニエ・ウエストが反ユダヤ主義的な発言を連発して、業界追放の危機に立たされている。著名人でなくとも、SNSの発言には気をつけないといけない時代だ。何より、肌の色、文化の違いに関係なく、互いに尊重して、皆が平等で、誰もがハッピーに過ごしていけるような世界を築いていくのが現代人の目標のはずだ。パワーのあるスポーツ界がまずはお手本を示していきたい。