「人脈力資産」を示す具体的な方法
お勧めしたいのは、面接時に、あるいはその前の書類選考の段階においても、あなたがどのような人脈を持っているかということについて積極的に開示していくことです。
たとえば、以下のように話すとよいでしょう。
●営業職
どの企業と取引していたかだけでなく、カウンターパートとなっていた人はどのような部署のどのような職責の人だったのか。
特に深く入り込んでいた案件では、取引先とどのようなコミュニケーションをしていたのか。
●商品やサービスの企画・開発・製造部門
どのようなパートナー、ベンダーと付き合ってきたのか。
「どの企業」ではなく、「どのような人」に委託してきたのか。その人たちの実績はどのようなものなのか。
●本社管理部門
他部門(部署)とどのようなやり取りをしてきたのか。社長や役員、事業部門の責任者などとどのような関係性をもっていたのか。
まずはこうした社内外の人たちとの付き合いについて棚卸しを行い、職務経歴書上でも面接時においても、業務経験の話をする際、面接・面談相手に伝えることを重視してください。それだけでも応募先相手の反応は大きく変わると思います。
「誰を知っているか」ではなく「誰に知られているか」
先のような人脈の開示をしていると、面接中にこんな会話になったりします。
【面接者】「ああ、Aさんとご一緒にやられていたんですね。Aさんには当社でも、事業部でとてもお世話になっていますよ」
【あなた】「御社でもつながりがおありなのですね。Aさん、気さくでとても良い人ですよね。プロジェクトに絡んで、何度か食事をご一緒しましたが、仕事を離れた趣味も多彩で、お話を聞いているだけで、とても勉強になっています」
このような会話が飛び交うことが、特に上位職になればなるほど自然と増えるのが、私が経営層・幹部層の案件に携わっていて、とても楽しいひとときです。
当たり前のことですが、どんなに大きな事業やプロジェクトであっても、いや、だからこそ、それはしごく個別的な人と人とのご縁やお付き合いで動いている、回っているということを実感する瞬間です。
人脈とは「誰を知っているか」以上に「誰に知られているか」。いわゆるリファレンスの確かな人こそ、企業が採用したい人です。