いまでも効かない治療はあちこちで続けられています。

なぜ効かないのかはあとでわかることもありますが、たいていはぼんやりしたままです。

「こんな理由で効かないんじゃないか」と想像することはいくらでもできますが、それを生理学的に証明するのは難しいうえに、新しい治療の発明に結びついたのでなければ、医師がいちいち知っていても意味がありません。

医師は学者ではないのです。あなたはどうですか?

テレビを捨てよう

テレビはぜんぶおまかせメニューですから、だいじなところは短く圧縮され、画面はあっというまにどうでもいいTシャツのたたみ方に切り替わります。

問題はそういう余計な情報が単に時間のムダになるだけでなく、本当に必要なことから注意をそらしてしまうことです。

テレビを捨てる最大の理由は、情報の質が低いからではなく、情報だからです。

写真=iStock.com/0meer
テレビを捨てよう(※写真はイメージです)

情報は減らすものです。ひとりの生活のために本当に欠かせない情報はごくわずかです。使えない情報はあればあるほど、ほかの情報を忘れさせ、混乱させ、判断のじゃまをします。

たまに情報不足で失敗すると、もっと情報を集めようと思ってしまうものですが、そういう安直な反応こそ考えが足りません。

わたしは天気予報をほとんど見ません。どこに行くにも折りたたみ傘を持ち歩いているからです。都内の打ち合わせに出かけるのに電車の時刻を正確に覚えて出ることもありません。いつも早めに出るからです。