「自然食」はまったく自然ではない

人体はよくできています。よくできていますから、医者に説明などしてもらわなくても、勝手にうまいことやってくれます。

あまりによくできているので、どういうしくみでそんなことができるのか、医者にもよくわかりません。

こういう話をすると早合点して、「人体には神秘的なパワーが宿っているから自然にかえらなければならないのだな」などと考える人が出てくるのですが、その考えは露骨ろこつに矛盾しています。

医者にもコントロールできない神秘のパワーを、「自然に還る」という名のお医者さんごっこでコントロールできるはずがありません。

コントロールできるなら神秘でもなんでもないでしょう。

じっさい、自然の名のもとにおこなわれる体操だのセラピーだの自然食といったものは、ぜんぜん自然ではありません。

日本のビーガンレストランでのランチプレート
写真=iStock.com/Yagi-Studio
「自然食」は自然ではない(※写真はイメージです)

自然に還りたかったらサバンナにでも行って、ライオンに襲われれば土に還れるのですが。

自然という宣伝文句をつけた最新技術の産品は、人工的な印象を与えないように、より高度な技術でお化粧しているのかもしれません。