「エコ・プリンス」と呼ばれた皇太子時代
チャールズは、皇太子時代に「エコ・プリンス」とあだ名を付けられるほど環境問題や代替医療などに関心が深く、世界経済フォーラム(WEF)が掲げる「グレート・リセット」の熱心な支持者として知られている。コッツウォルズに持つ農場にオーガニック農法を導入したのは1985年、その後にオーガニック食品の「ダッチー・オリジナルズ」を立ち上げトップブランドに育てるなど、エコ事業にも熱心だ。昨年秋にCOP26(国連気候変動枠組条約第26回締約国会議)がスコットランドで開催された時は、ウィリアムと共に出席して演説を行い、同じく環境保全活動に熱心な俳優のレオナルド・ディカプリオが現地へ突然現れて面会するなど、話題に事欠かない。
一生を通じて個人的な意見をほとんど表明したことがなかったエリザベス女王に比べ、こうして何かにつけて声高な発言をするチャールズに対する国民の人気は二分していた。故ダイアナ妃にはギスギスした結婚生活を暴露され、元不倫相手であるカミラ王妃と英国教会のおきてを曲げて再婚してしまったことも悪評につながり、王としての資質がないと考える人も少なからずいた。
しかし即位後初のスピーチで、これからは連合王国および56カ国からなる英国連邦の君主としての義務をわきまえ、今までのようにいろいろな活動に携わることはなくなるとはっきり宣言した。そして、まだ女王の葬儀も終わらないうちから北アイルランド、スコットランド、ウェールズを駆け足で公式訪問し、街頭でお悔やみの言葉をかける国民に感謝し話しかけて回ったりしたことでかなり好感度を上げている。どうやら、ファストフードは体に悪いからマクドナルドを国から追い出すべきだ、と言い放ち「マックに足を踏み入れたこともないくせに!」と大ひんしゅくを買った皇太子時代とは決別したもようだ。