平成21(2009)年版の民主党インデックスには、およそ350もの細かな項目がずらりと並んでいるだけで、いずれも行政課題です。政治的に何を目指すのかが分かりません。
政府としてどのような国家の舵取りをするのか読み取ろうとしても、NPO法人の活動拡大や国際機関頼みだったり、日米同盟を対等なものにすると言いながら自衛隊を専守防衛に限ると宣言したり、ただの「やりたいと思いついたもの一覧」になっています。
そして子ども手当や高校無償化、高速道路無料化などは、自民党とさして変わらないバラマキです。
そこで、連立政権がまとまれる政策として無理矢理ひねり出したのが、外国人参政権でした。日本国籍を持たなくても、日本に定住している外国籍の住民に参政権を付与しようというものです。
もっとも急進的な主張では、公務員の国籍要件撤廃が含まれていたり、国政ではなく地方自治体の選挙なら定住外国人が参加してもいいのではないかとされていたりします。つまり、政権幹部全員が唯一賛成できるのが国民全員を敵に回す政策だったのです。
あっという間に国民に呆れられました。
普天間基地問題で自滅した鳩山政権
党内でも幹部間の対立が激しく、まとまりません。基本的には小沢一郎幹事長と反対派です。それに加えて連立内閣なので苦労が絶えません。国民新党の一丁目一番地は、郵政民営化の骨抜き。小泉純一郎に自民党を追い出された人たちの政党で、これは呑みました。
問題は、対外政策に及んだことです。財政の話は何とかなっても、外国との話は国の死活問題です。こういうところから政治の勉強をしていなかった、している人が党を主導できなかったことが民主党の誤りです。民主党にも安全保障が分かるマトモな人もいますが、正論は通りません。
鳩山由紀夫内閣で特筆すべきは、在日米軍基地の移設問題です。沖縄の普天間基地の県内移設と基地用地の返還は、平成8(1996)年の橋本龍太郎内閣当時の日米合意が基になり進められていました。
平成11年には、沖縄県知事の稲嶺惠一が普天間基地の名護市への移設を発表し、年末には小渕恵三内閣が「普天間飛行場の移設に係る政府方針」を閣議決定しました。
ところが平成21年7月、自民党が大敗した東京都議選の直後、鳩山は普天間移設について「最低でも県外」と言い出します。沖縄から在日米軍基地を追い出すどころか、平成17年の「民主党沖縄ビジョン」では「地域主権」の試行として、沖縄で「一国二制度」を推進するとか、在日米軍基地の国外移転にまで言及していました。