産地も形も違う生鮮食品のデータ管理に挑戦する

【田中】先ほどDXという言葉が出ましたが、DXについてはベイシアグループ全体でDXを推進すべきところと、そうでないところが明確に峻別されています。むしろ、ここはDXを推進しないと決めている領域はありますか。それとも特にルールアウトはしないのでしょうか?

【相木】優先順位はありますが、基本的にはDXを推進する方向に進んでいきます。おもてなしは引き続き強化しながら、裏側にDXを実装していきます。あまり表向きには発表していませんが、自動発注は既に完全デジタル化していますし、店舗の商品のアドレス(棚)はすべて管理されています。これはすべてのスーパーができていることではないと思います。そういったところは進んでいますが、機械学習の導入はこれからですし、やらなければいけないことがたくさんあり、本丸はここだと考えています。

ネットスーパーもアプリもまずまず成功していると思いますし、デジタルチームには素晴らしいメンバーが揃っていますが、これからの本丸は店舗内のDXです。生鮮のように単品管理が難しく、産地も違えば形も違う、それぞれユニークな商品のデータ管理を実現しているスーパーは日本には存在しません。ここにチャレンジしていきます。デジタル領域を統括する亀山(博史)という本部長がおりますが、彼のリソースを店舗DXにシフトしようと考えています。

アプリは顧客との第二の接点

【田中】中国のアリババがリアル店舗を展開したときに真っ先に手をつけたのが商品管理です。ブロックチェーンで商品管理をして、機械学習で解析しています。ベイシアにおける店舗のDXと機械学習についてはいかがお考えでしょうか?

立教大学ビジネススクールの田中道昭教授

【相木】アプリの会員基盤がベースになると思います。私たちはお客様との第二の接点を、アプリと位置づけています。ベイシアのアプリは2020年にリリースしていて後発ではありますが、今ではかなりのお客様に使っていただいていますし、利用頻度は非常に高いです。もちろん情報管理は徹底しながら、お客様がさらに良い買い物体験ができるようなパーソナライゼーションを進めていきます。

お客様が来店したときに店舗が広いと、どこになにがあるのかわからないといったことが必ずあります。そこで買い物のエージェントとして個人の嗜好しこうと購買履歴に合わせて、お客様が欲しいであろうものをお勧めする。

それだけでなく、買いまわりを提案したり、ナショナルブランドを買おうとしている方にはプライベートブランドにするとこれだけお得になるといった提案も考えています。買い物をした後の満足度はすごく重要ですから、購買体験を豊かにするデータ分析とお客様のサポートが実現できれば面白いと思っています。