プールで全身を水に浸され、全身が水に沈んだら合格

クラス替えの度に説明させられるのが嫌で、小学校6年生になった桜木さんは、

・国歌、校歌は口パク
・騎馬戦は「足が痛い」と言って途中離脱
・学校での誕生日会やクリスマス会はバレないので普通に参加
・テレビの話題は友達にリサーチした上で話を合わせる
・ゲームは友達の家でやる

という対策を考えて、実行した。

掃除の時間に友達とホウキでちゃんばらごっこをして遊んでいたところ、小5の時に担任だった教師に、「戦い禁止じゃないの?」と声をかけられ、内心青ざめたこともあった。

中学生になると桜木さんは、持ち前の明るさと要領の良さ、学校では教団の教えを破り、友達たちに合わせていたので、新興宗教の信者であることによるイジメはなくなった。

中2になると、両親や周囲の大人の信者から「そろそろ儀式を受けたら?」というプレッシャーをかけられる。学校では新興宗教の信者であることで白い目で見られ、新興宗教の世界では、儀式を受けないと神を信じていないとみなされるという、板挟みの状況に。

桜木さんによれば、儀式は、基本的に2冊の本を勉強し、集会や奉仕に休まず参加して、組織の教えを守り、地域のトップたちとの話し合いでOKが出れば受けられる。儀式の前には、口頭で組織と神に対して誓いを立てさせられ、その後プールに入り、全身を水に浸され、全身が水に沈んだら合格だ。

「儀式では、過去の自分が死に、新しく信者としての生まれ変わる意味があるようです。よく、『タバコをやめられない人や信仰が薄い人は、体の一部が沈まなくて儀式ができなかった』なんて噂もありましたが、ただの噂だと私が証明しました」

写真=iStock.com/Dimitrios Stefanidis
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